コクーン歌舞伎「盟三五大切」

WOWOWコクーン歌舞伎をやっていたのでテレビ鑑賞した。
鶴屋南北原作、串田和美演出、中村橋之助尾上菊之助中村勘太郎、板東弥十郎ほかの出演である。まったくどんなストーリーなのか、予備知識がないまま観たが、なかなか見応えのある作品だった。
歌舞伎なのにBGMがクラシック管弦楽長唄や三味線を融合させていたり、舞台美術が印象派の絵画(モネとかターナー風?)だったりして、通常の歌舞伎とは違う演出が新鮮だった。
話そのものは、大金が必要になった売れっ子芸者とその夫が、芸者に惚れ込んでいる浪人から、仲間と共謀して百両をだまし取り、裏切られた浪人が復習の鬼となり、次々と殺人を犯すという、重い内容だ。
しかし歌舞伎ならではの“型”が美しく、菊之助演じる芸者“小万”の妖艶さも印象深い。自分が男だったら「惚れてまうやろー!」という感じである。浪人役の橋之助が、どんどん人格が壊れて殺人鬼と化してくる様も凄まじさの中に、哀しみもありなかなか深かった。後ろで流れる音楽がまた哀愁を誘うんですね。それから勘太郎はだんだん父・勘三郎さんに似てきたなあという感じがする。声とかがそっくりで「あれ?勘三郎さんも出てるの?」と思ったくらい。

WOWOWは10月からさらに、舞台の放送が充実してくるみたいなので、リアルな劇場に行かれない分テレビ鑑賞を楽しみたいものだ。