クラーナハ展 500年後の誘惑


国立西洋美術館で開催中の企画展「クラーナハ展」を観に行った。
クラーナハという画家は知らなかったのだが、ぶらぶら美術博物館で紹介されているのを見て「これは観ておかないと!」と思い、昨年のうちにチケットを入手していたのだ。
(以下、国立西洋美術館のサイトより抜粋)

ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を運営して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。

現実の人間ではありえない、デフォルメされたプロポーションの女性がクールな微笑みをたたえながらこちらに視線を投げかける「ヴィーナス」
何の感情も感じさせない表情で男の生首を抑えている「ホロフェルネスの首を持つユディト」
”500年後の誘惑”というサブタイトル通り、思わずじっと見入ってしまう女性の絵が特に印象的だった。何とも言えないエロさと際どさが、これは現代のエロティシズムとしても充分通用するものだと思う。山田五郎さん曰く「まっぱ+ワンが一番エロい!」とのことだが、なるほど一糸まとわぬ裸体よりも殆ど隠れていない透明のベールや、なぜかアクセサリーだけ身につけている所が確かにエロさを際立たせているなと感心した次第である。