女教師は二度抱かれた

シアターコクーンにて、松尾スズキ作・演出の舞台「女教師は二度抱かれた」を観た。
松尾作品を生で観るのは実は初めてなのだが、今回は歌舞伎役者の市川染五郎を迎えており、なかなか豪華な出演者揃いだ。チケットはあっという間に売り切れてたし、かなり期待しつつ劇場に足を運んだ。
大人計画の舞台はテレビで3本観ている。「キレイ」「ニンゲン御破算」「蛇よ!」だ。あと、松尾さんの作品ではないが、大人計画の役者さんである阿部サダヲさんが出演した、劇団☆新感線の「朧の森に棲む鬼」とか、宮藤官九朗さん脚色でやはり新感線の舞台「メタルマクベス」なんかは観ている。あと、松尾さんの「クワイエットルームへようこそ」は小説の方だけ読んだ。
クドカン作品がわりとポップではっちゃけた明るさみたいなものを感じるのに対し、松尾作品にはギャグの中にちょっと毒というか狂気が潜んでいるところが深いなと思う。
女教師は二度抱かれた」このタイトルを聞いて友人は「昔の日活ロマンポルノみたい」と言った。う〜んまあ確かにねえ。初め「おんなきょうし」と読むのだとばかり思っていたら「じょきょうし」が本当だったんですね。でもあんまり馴染みがない言葉だな。
ま、そんなことはさておき肝心の舞台。大人計画染五郎かあ・・・どうなんでしょう?と思っていたが、結構ダメ男っぽさがリアルで馴染んでましたね。パンツ一丁の衣装とか学生服姿などは、まあさすがにちょっとビミョーな似合い方という感じでしたが。大竹しのぶさんは、やっぱり「大竹しのぶ」で、やっぱりさすがの貫禄。あの人の背後には絶対なんか乗り移っている気がする。
ただ、思っていた程は「腹を抱えての大爆笑」というほど笑えるシーンというのはなく、ちょっと不完全燃焼な感もありました。本物の歌舞伎役者を前に阿部サダヲにゲイの歌舞伎役者を演らせてしまうというのも大胆だが、その辺の描き方がなんか中途半端。それよりももっと天久と諒子の関係を深く追って欲しい気がしたなあ。
でも全体的にはすごく楽しい舞台でした。