金沢21世紀美術館


今回の旅の第一目的である、愛称「まるびぃ」こと金沢21世紀美術館に来た。時間が夕方近くだったし、ずっ〜と歩いてきて疲れてきたので、今日はとりあえず無料ゾーンを見ることにした。
まん丸でガラス張りの美術館は、周りが芝生になっていて(今の季節は枯れた感じの芝生ですが)ちょっと公園みたいだ。出入り口も4ヵ所あって気軽に中に入れる。
総合案内の近くにある、レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」を上から見る。プールに水がいっぱい張っているように見えるが、実は水は10cm程度の深さしかない。下にいる人の姿がゆらゆらと見えて楽しい。
続いて天井がぽっかり抜けていて、空が作品の一部になっているジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」四角く切り取られた空をボォ〜っと見上げてみる。普通に外で空を見るより、何だかより空の移ろいを実感できる感じだ。

あとは随所にある光庭を見たり、長〜い木のベンチで休憩したり、ライブラリーで雑誌などを見たりする。周りが全てガラス張りだけあって、どこも外の光がさんさんと入ってくる。
プロジェクト工房という別棟の建物で、「日比野克彦アートプロジェクト」の一つがやっていたので入ってみた。建物の外壁には、すぐに日比野さんだとわかる絵が描いてある。ここはどうやら「体験アートコーナー」みたいな感じらしい。
「明後日朝顔プロジェクト21」という企画をやったみたいで、その時に収穫した朝顔の種をもらった。美術館の周りをぐるっと一周する朝顔を植えたそうだ。おもしろいなあ。
うちの実家は毎年夏になると朝顔を植えていて、夏の暑い日ざしの中ぐんぐんと育った朝顔は家の二階まで伸びる。ちょうどいい感じに日よけになって涼しげだ。
朝顔で覆われた美術館もなかなかのものだろうなあ。(ホームページでその時の様子が見れます。)
朝顔と言えば、一年前に植えて花が終わったあと引っこ抜いた状態の植木鉢をずっとベランダに放置していたのだが、秋の台風の雨がそれにかかったようで、気づいたらすごい葉っぱが出てきてびっくりした。たぶん植木鉢の中には落ちた種があったのですね。
季節は9月も終わりだったが、「今年はあったかいから案外このまま育つかも。」と思いそのまま育てることにした。そうしたら何と花が咲いたのですよ、思いっきり季節外れな朝顔が。何だかけなげで嬉しかったなあ。
今日は種ももらったことなので、種まきの時期がきたらまた朝顔を育ててみようっと。

そうこうしている間に日もとっぷりと暮れて、外は冷たい風が吹いていて寒いし、さすがに歩き疲れた。夕食はどうしようかと思い、このまま近くの繁華街に行くという考えもあったが、それよりも「早くホテルに行って休みたい。」という気持ちの方が強かったので、バスで金沢駅まで戻ることにした。さてバス停はどこなのだろう?
丸い美術館はちょっと方向感覚がつかみにくい。すぐ近くにバス停があったのに、どうも逆方向に行ってしまったようで変な場所に出てしまった。何とかバス停を見つけて、金沢駅行きのバスに乗った。
宿泊は金沢駅近くの「金沢マンテンホテル」。値段が安いのと大浴場があるのが気に入ってここにした。女性客向けのアメニティセットをもらい、部屋に入る。部屋は狭いが清潔な感じで、まあどうせ寝るだけなのでこれで充分である。ベッドの上にころがったら疲れがドッと出てきた。何だかもう外に出るのも面倒になり、今日はホテルの中にあるレストランで食事をすることにした。値段もお手ごろだし雰囲気も悪くない。
お昼に海鮮丼を食べ、夜は洋食な気分だったので、前菜盛り合わせとサラダとパスタのセットとグラスワインを注文する。思ったより量も多くて味もわりと美味しい。
隣の席のおばさん(たぶんうちの母と同じくらいの年齢?)が話しかけてきた。どうやら激安バスツアーに一人参加したようで、夜は自由夕食なので観光後に一人でホテルまで戻ってきて、お風呂に入った後に一杯やっているらしかった。晩酌セットというメニューとお造り、そしてビールをジョッキで飲んでいた。
おばさんは千葉からバスで金沢まで来たという。やはりすごい時間がかかったそうだ。私はいくら安くても金沢までバスというのは無理だろうなあ。家族の話や金沢の観光スポットの話などをして、最後はデザートまでごちそうになってしまった。私のことを20代後半くらいの歳だと思ったようで、実年齢を言ったらかなり驚かれた。
食事の後はしばらく休み、大浴場に行く。ホテルにこういう大きなお風呂があるのは嬉しい。シングルルームの狭いユニットバスじゃくつろげないもんねえ。
明日に備えて早く寝なくちゃ。